信州松本ぺんぎん堂

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切り干し大根おやき食べ比べ

どうも、茶々丸です。

すっかり寒くなってきましたが、みなさんお元気ですか?

寒くなるとほっかほかのおやきがおいしい季節ですよ〜。

中華まんもおいしいですが、たまにはおやきもいいですよ。

ということで、今回はおやきを食べ比べてみました。

  

 

いろは堂VS小川の庄 見た目

比べてみたのはいろは堂炉ばたのおやき切干大根小川の庄の切り干し大根おやきの2種類です。なぜ、メジャーな野沢菜にしなかったんだ!?とは聞かないでください。

パッケージはこんな感じ。左がいろは堂で右が小川の庄のおやきです。

 

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いろは堂と小川の庄

いろは堂は長野市鬼無里のお店、小川の庄は上水内郡小川村のお店です。
どちらも銀座NAGANOで冷凍のものを買ってきました。

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いろは堂(左)と小川の庄

袋から出してみました。触った感じ、いろは堂の方が油が指につきます。これは製法の違いで、いろは堂のおやきは冷めても固くならないように素揚げにしてあるようです。対して小川の庄のおやきは蒸すだけだと思われます。

次に両方を温めて切ってみました。

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いろは堂 炉ばたのおやき切干大根

厚みがあってずっしりしています。ちょっとパンに近い感じがあります。

 

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小川の庄 切り干し大根おやき

こちらはおまんじゅうみたいな小川の庄のおやき。いろは堂に比べると厚みがないように感じますが、一般的にはこの形が多いように思います。見た目以上に中身も詰まっています。

おやきもきになりますが、私は個人的には手洗いと消毒のしすぎで油分が抜けきった自分の手が気になります(涙)。

 

いろは堂VS小川の庄 お味

いろは堂

口に含んだときに一瞬えのきの風味を感じましたが、きのこは入っていませんでした。

原材料は大根(国産)、小麦粉(国内製造)、味噌、長葱、大豆油、砂糖、人参、そば粉、酵母、食塩、調味料。

見た目にそこはかとなくパンの風情が漂っていたのですが、生地のもっちり感も揚げパンに近いです。切り干し大根のお味はまろやかでおいしいです。まろやかなのは味噌のせいかもしれません。スーパーで売っている惣菜の切り干し大根ほど甘い味付けではありません。パン生地の薄い惣菜パンのようですが、パンと言い切れるほど洋の要素はありません。

また、そば粉が入っているのが小川の庄との違いでもあります。

 

小川の庄

いろは堂よりも生地はほんの少しかためで、まんじゅうの皮を少々かためにした感じです。

原材料は小麦粉、大根(国産)、玉ねぎ(国産)、長ねぎ(国産)、人参(国産)、味噌、菜種油、砂糖、かつおエキス、もろみ調味料、みりん、しょうゆ、食塩、酵母エキス/膨張剤、紅花色素。

こちらは長ねぎのほかに玉ねぎも入っています。切り干し大根の味はいろは堂に比べると若干カドがありますが、それはそれでおいしいです。やはりスーパーの惣菜の切り干し大根ほどの甘みはありません。素材の甘みを活かしています。生地によく合う味付けになっています。

 

結論

どちらもおいしいです!甲乙付けがたい!お好みで選んでください!

ですが、どちらを選ぶかを考える上で参考になるとすれば、

油分で比較

油分が若干多くても平気な人はいろは堂。あっさりが好みの人は小川の庄。

生地で比較

パンに近い生地が好みならいろは堂、昔ながらのおやきを求めるなら小川の庄。

 

それぞれの会社の成り立ち

ふたつのおやき製造販売会社の味の違いは、もしかすると会社の成り立ちにあるのかもしれません。参考までにそれぞれの会社の歴史をざっくりと書いておきます。

 

いろは堂

いろは堂が創業されたのは大正14年(1925年)。元々は鬼無里村のお隣の小川村で和菓子の店から始まったようです。第二次大戦後は学校給食のパンの製造も手がけるようになり、おやきの製造を始めたのは昭和40年(1965年)とのこと。

おやきの生地にはイースト菌を加えて発酵させ寝かせるというパン作りと同じ行程があるようです。おそらくですが、このような作り方をしているおやきのお店はほかにないのではないでしょうか。この生地作りの工程と素揚げにパン製造を手がけていた頃の経験が生きているのだと思います。パン製造の経験から生まれた独自のおやきの製法は唯一無二といえるかもしれません。

www.irohado.com

小川の庄

小川の庄は縄文おやき村という施設で村のお年寄りたちが生涯現役で働いていることでも知られていますが、昭和61年(1986年)に第三セクター方式で誕生した会社です。しかし、そんじょそこらの、役所と民間がお金を出し合っただけの会社ではありません。

小川村には昭和30年代初めに「こだま会」という地域の青年たちの集まりがあり、人口激減で村が消滅してしまうのではないかと危機感を持っていました。当時、青年たちは具体的な構想は描けませんでしたが「村を発展させるために外へ出て見聞を広げて技術を覚え、10年後には必ず村に戻って力を合わせて村づくりをしよう」と約束し、それぞれが村の内外で仕事に励み力をつけていきました。それから16年後、こだま会の7人の仲間たちで地元農協、食品加工会社、地元住民が共同出資する第三セクター方式による新しい村づくり事業として小川の庄が設立されたのです。経営の理念は「この村に住む人が、生涯現役で生き甲斐を持って働けること」だそうで、ちょっと感動しませんか?自分の暮らす村やそこに住む人々を思う気持ちがおやきに込められています。

www.ogawanosho.jp

 

最後に

いかがでしたか?

おやきの味の違いの裏には会社の歴史もありました。今回とりあげたいろは堂さんと小川の庄さんのほかにもおやきの製造販売を手がけているお店は何件もあり、それらのお店のおやきも食べてみたいなと思いました。また、おやきには切り干し大根や1番人気の野沢菜のほかにもなす、卯の花、かぼちゃ、あずき、きんぴら、しめじ、山賊焼き、りんご、くるみ、などなどがあり、それぞれがおいしいのでいろいろ試していただきたいと思います。地味な郷土食ですがときどき新商品も出ているので目が離せません。信州に行ったらぜひ味わってみてください。東京では銀座NAGANOで冷凍のものが購入できるほかバルカウンターで食べることもできます。

また、以前書いたおやきの記事はこちらをどうぞ。

shinsyu-matsumoto-pengin-dou.hatenablog.com