信州松本ぺんぎん堂

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諏訪・新鶴の塩羊羹は大変美味

今年の10月26日、27日の2日にわたり銀座NAGANOで5周年の大感謝祭が開催されました。

特に26日は知る人ぞ知る諏訪の新鶴本店の塩羊羹が年に1度の入荷とあって、わたくしぺんぎん茶々丸も早起きして銀座NAGANOへと向かったのです。自慢じゃありませんがわたくし、朝が大変弱いので、現地に12時ちょい過ぎに着いたのは我ながら上出来でした。早起きして銀座へ来たのも新鶴のため。人々でごった返す店内に入り、決死の思いで塩羊羹を探しました。しかし……

 

「な、ない……どこにも、ない」

 

1階にないなら2階にあるかと思い、階段をとことこ上がっていったのですが、その日に同時に入荷のあった牛乳パンコーナーの空っぽのカゴが私を迎えてくれただけでした。再び人々であふれかえる1階に戻り、店員さんに新鶴の塩羊羹はありませんか?と聞いてみると……

「新鶴の塩羊羹は年に1度しか入荷しないこともあり、当店では大変人気で、午前中には売り切れてしまいました。今日は開店前から行列もできていて、すぐになくなってしまったんです

と申し訳なさそうなお返事。すると、店員さんの後ろにいたお客の女性が食いつくように

「えっ、いまなんて言いました?新鶴の塩羊羹、売り切れたんですかっ」

と店員さんに迫り始め、私はすでに女性の相手を始めた店員さんにお礼を伝えて(多分もう聞こえていなかったと思うけど)すごすごと銀座NAGANOをあとにしたのでした。

そういえば、松本に住んでいたときも「新鶴の塩羊羹は人気があるから午前中で売り切れる」という話を聞いたことがありました。本店でさえそうなのだから銀座NAGANOならなおのこと早く売り切れてしまうのか。いや、正直言うと私は舐めていたんです。東京では新鶴の塩羊羹にそれほど知名度がないのではないかと。

 

この事の顛末を松本にいるM.Oさまにお伝えしたところ、な、な、なんと!!

先日宅配便で新鶴の塩羊羹を送ってくれましたーーーーーっ\(≧▽≦)/

なんと、休日にわざわざ松本から諏訪まで買いに行ってくれたのです!

M.Oさま、*・゜゚・*:.。..。.:*・゜神 ・*:.。. .。.:*・゜゚・*!!!!

本当にいつもありがとうございます!

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袱紗のような包装紙

包装紙は厚くて裏がツルツルの上等な紙でした。印刷のいい匂いがします。おそらく昔からこのデザインなのでしょう。抹茶を思わせる深い緑色にも文字にも味があります。

ちなみに白いがらは大小の鶴(多分)が同じ方向へと飛んでいる様です。

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信州下諏訪新鶴本店と書いてあります

包装紙を丁寧に開けると中から紙袋が……。そして……。

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経木のような紙

むか〜しむかしお肉など生ものを包んでいた経木のような紙に包まれたそのままの塩羊羹が!!ラップ的なもので乾燥を防いだり日持ちをよくしたりするなどの包装はされていません。昔のままの販売方法です。

特に香りはありません。

写真ではわかりづらいかもしれませんが、表面に細かな線が入っています。

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ぺろん

 

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本日のしあわせおやつ♥

羊羹というと真っ黒なものを思い浮かべますが、新鶴の塩羊羹はご覧の通り微妙に本当に微妙に藤色も感じられる上品な色味です。以前和菓子職人さんに「上等なあんこは真っ黒じゃなくてちょっと紫がかっている」と聞いたことがあります。

そして、塩の確かな存在感のある甘み。塩味も甘みもどちらも立っています。カステラの下にザラメが溜まっていることがありますが、あれほどではないにせようっすら塩の微粒子が下面に出ているところがあって、たまにシャリッとします。おいしい。とてもおいしいです。羊羹1本をひとり占めしてしまうしあわせをとても感じております。

新鶴の塩羊羹は賞味期限がとても短いのですが、冷凍できるので一口大に切ってジップロックに入れて冷凍しておけば長く楽しむことができます。

 

そもそも新鶴とはどのようなお店なのかといいますと、下諏訪郡下諏訪町にある明治6年創業の老舗和菓子店です。塩羊羹の入っていた袋には

 

 上杉謙信の美談に伝えられますように信州は海のない国でかつて塩は貴重品。それだけにその味わい方にも思いが深く、食材の味を引き立てるために大切に使われてきました。

 明治六年創業の当店では初代河西六郎が羊羹に塩味を加えることを考え、小豆・寒天・砂糖と塩のなじみ具合・折り合いに苦心しながら工夫を重ね、丹念に練り上げてうまれたのが「新鶴塩羊羹」です。

 

と書いてあります。いまでも厳選された十勝の小豆と地元・茅野の寒天を材料に楢の薪を焚いて練り上げるという創業以来の製法を守り続けているそうです。

何よりも重んじているのは当時から愛される味と品質。真空パックや添加物などという現代の技術に頼った日持ちのよさを優先しないところに老舗の誇りを感じます。

明治に誕生した味がいまでも多くの人たちに愛されているのですね。もしかしたら私のご先祖様も食べたかもしれないなあ、なんて来し方に思いを馳せながらいただきました。

新鶴ではほかにももちまんじゅう、季節の生菓子などの人気商品があるそうです。

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新鶴さまホームページより

http://shinturu.com

諏訪大社秋宮の隣にあるというお店の佇まいも素敵なのでホームページから写真を引用させていただきました。店内も昔ながらの雰囲気そのままで時間旅行したかのような心持ちになりそうです。今度はぜひ私自身も新鶴さんを訪れたいです。

最後までお読みいただきありがとうございました。