信州松本ぺんぎん堂

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「松本の本」が内容濃すぎな件について

どうもこんばんは、茶々丸です。

昨日は諏訪の雑誌suwajinを紹介しましたが、実は我が故郷・松本にも松本独自の雑誌があるのです。その名も松本の本です。

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創刊号と第2号

この雑誌は前々から信州松本ぺんぎん堂でもご紹介しようと思っていたのですが、内容が濃すぎてどの部分を紹介したらいいのか迷っていままでなかなか取り上げることが出来ませんでした。何しろ松本愛にあふれた人たちが筆を執りみっちり書いた記事なので、字も細かく内容も大変重厚というか、松本好きには堪えられない情報にあふれているのです。

2019年4月に創刊された「松本の本」は古書店想雲堂の店主・渡辺宏さんが地元の魅力を発信しようと、実行委員長を務める「まつもと一箱古本市」の協力を得て始めたのだそうです。魅力的な文章を書く人が多いなと感じたのですが、執筆陣は渡辺さんご自身が「店で話を聞いて、文章にしたら面白いと思った人に声を掛けている」といいます。渡辺さんの眼力恐るべし!です。

松本の本を取り上げた松本経済新聞の記事はこちら

https://matsumoto.keizai.biz/headline/3129/

 創刊号では「ボクらの街には古本屋がある。」という特集が組まれており、松本城前に伸びる大名町通りで一際目を惹く天守閣を模した建物の古本屋「青翰堂」のご主人をはじめとする古本屋店主のみなさんのインタビューがあり、付録には古書店や本屋さんの載ったマップまでついてくるというマニアには堪らない作りになっています。

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松本市の本屋さんマップ

特集はもうひとつありまして、「”ワタクシ テキ マツモト”のススメ」と題して16人の執筆陣が松本の狛犬についてだとか地形についてだとか、それぞれの得意分野について深掘りしています。本当に読み応えがあるし、松本の街がもっと好きになる特集でした。

特集以外の記事も大変興味深く、巻頭には昭和40年代のものを中心とした松本市内のお店のマッチのラベルが紹介されています。私は見たことのないものばかりでしたが、ご年配の方にはさぞかし懐かしいものだと思います。昔の映画のポスターが格好良く感じるのと同じ感覚でかなり格好いいラベルばかりでした。

 

第2号は映画と街について特集されており、かつて松本にあった東宝セントラル」の歴史を館主だった方に語ってもらっていたり、かつての「中劇シネサロン」支配人と元社員の対談が載っています。こんなシブい特集、地元雑誌ならではです。

特集2では「本をつなぐ人たち」ということでかつて大名町の入口というか四柱神社横にあった「鶴林堂書店」について取り上げたりしています。さすが、古書店の店主さんが立ち上げた雑誌だけのことはあります。

第2号でも「”ワタクシ テキ マツモト”のススメ」は健在。18名の執筆陣が火の見櫓や人物伝などそれぞれの得意分野で筆を振るっています。個人的にツボだったのはボイル青柳さんという方が書いた「私が出会った松本の言葉」です。博多っ子のボイルさんはイラストと文で松本で出会った方言を紹介しているのですが、とてもほっこりするのです。例えば上土にある「小松パン店」。その看板には「パンセ小松」と書かれているのですが、ボイルさんはその意味をご店主に聞いたようで、

「仏語の「panser」…

パスカルの「パンセ」…

まあ。一番の意味はね、「おたくは何を売ってるだ?」「パンせ!」ってことだね。 

と答えられたらしい。これはかなりツボりました。信州人以外の方のために説明いたしますと、語尾の「せ」は「〜だよ」とか「〜さ」という意味になります。

また、野沢菜を漬ける前に洗う作業を「お菜洗い」というのですが、それがボイルさんの耳には「オナーライ」と聞こえるというのも大変興味深かったというか、そうなんだ!とちょっと目から鱗でした。きちんと「お菜洗い」と言っているつもりだったんだけど、自分で言い直してみたら確かに「オナーライ」と聞こえるかも。何かの儀式みたいな名前に感じますね。

 

ということで、松本のニッチな部分に鋭く斬り込んだというか、ツウな松本情報満載の「松本の本」、私的には大変気に入っておりお勧めです。早く第3号出ないかな〜。

ということで、今回も最後までお読みいただきありがとうございました!