こんばんは、茶々丸です。
このブログでは信州の郷土食をいくつか紹介してきましたが、広い信州では地域が高い山によって隔てられているため、その地域ごとに郷土食が違います。
私が本日の夕飯で食べたものもそのひとつ。
サバタケです。
パッケージに書いてある通り北信地方の山ノ内町の町民食だそうです。実はサバタケというのは商品名で、地元ではたけのこ汁というようです。
サバタケ(たけのこ汁)をご存じない方も多いと思いますが、これまたパッケージに書いてある通り、根曲がり竹とサバ缶(水煮)のおみそ汁です。これは昭和時代に生まれた郷土食のようです。現在、サバ缶は100円くらいで買うことができますが、昭和30年代には高級品だったとか。それを地元の名産品の根曲がり竹とおみそ汁にしたんですね。一体どういう経緯でそうなったのかはわかりませんが、志賀高原で採れる根曲がり竹は一級品だといいますから、季節のごちそうに海なし県でも食べられるおいしいお魚・サバ缶と合わせて特別な料理にしたのかもしれません。
このサバタケを開発したのは山ノ内町総合開発公社さんということで、山ノ内町をよりPRするためかパッケージにも工夫が凝らされています。ふたをパカッと開けると山ノ内町から望める北信五岳が描かれています。この蓋の部分を持って山ノ内町に行けば山の名前がすぐにわかるかもしれません。というか、山ノ内町を離れて暮らす人はこのパッケージを見るだけでも嬉しいでしょうね。
1箱にこのレトルトパックが2袋入っています。レトルトのパックにも箱と同じ謎の人物のイラスト。これはおじいさんなのかおばあさんなのか?まあ人間年を取るとおじいさんなのかおばあさんなのかよくわからなくなったりもしますが……。
サバタケもレトルトカレーと同様に容器に移してレンジで温めるもよし、お鍋で温めるもよし、湯煎にするもよし。私はお湯で温めました。レトルトカレーはレンチンするよりお湯で温めた方がおいしいと個人的には感じているので、サバタケもそうに違いないと思ったからです。温めて封を開けると、サバのにおいではなく、かつおだしのよいかおりがしました。
で、いよいよサバタケのお姿がこちらです。
スープ皿に入れているのはオサレを狙ったからではありません。単純にお椀を持っていないからです。お椀に入れたらもっとおいしそうに見えただろうなと思います(言い訳をするとお椀は木曽の漆器祭りに行って購入したいのです。毎年6月に開催されているのですが今年はコロナのせいで中止となってしまいました。まだまだ私のお椀のない生活は続きそうです)。
お汁が泡立っているにはパックから器にじゃばーっとあけたせいです。そして、「豆腐!?」と見えてしまうのが根曲がり竹です。根曲がり竹は穂先は3センチくらい、ほかの部分は1センチくらいにカットされていました。サバ缶はフレーク状で入っています。この写真だとおいしさが伝わらないと思いますが(汗)、これがとてもおいしいです。なんだか心にも体にも沁みる、素朴でありながら滋味を感じます。
以前、サバタケを食べたくて自分で筍の水煮を買ってサバ缶と合わせて作ってみたのですが、やはり根曲がり竹と筍の水煮では根曲がり竹に軍配が上がります。シャキシャキ感も風味も根曲がり竹には敵いません。
このおいしいきのこ汁をご家庭で作るために、北信地方では根曲がり竹が旬の春先にはサバの水煮の缶詰が大変売れるそうです。