こんばんは、茶々丸です。
今夜のNHK「ブラタモリ」は「松本〜国宝・松本城はなぜ愛された?〜」でした。
タモリさんの大学生時代の思い出の場所であり、また「きれいだね!」とお褒めいただき、松本出身者としてこれ以上嬉しいことはありません!
松本は小さな城下町ですが、一応、京都のように四神相応の地です。
「信府統記」にも以下のように書かれているそうです。
松本の城は四神相応の地である。北高く、南低く、南北に長く、東・南・西へと流れる川があり、天長地久(天地が永遠に続く)、吉祥繁栄(めでたく繁栄する)の相をもち自然の理にかない、大手南向きの水勢の城である。
(「シリーズ藩物語 松本藩」より引用)
四神とは東の青龍、西の白虎、南の朱雀、北の玄武の四獣を指し、東の青龍とは流水のあること、西の白虎とは大きな道のあること、南の朱雀は窪地があること、北の玄武は丘陵があることを意味します。
松本にこの四神を当てはめると
- 東の青龍(流水)は女鳥羽川とそれより少し離れた薄川
- 西の白虎(大道)は千国街道、野麦街道と女鳥羽川からつながる梓川や奈良井川の水運
- 南の朱雀(窪地)薄川と田川の合流点から西に広がる湿地帯
- 北の玄武(丘陵)放光寺山、芥子坊主山、伊深山
となるようです。松本は京都のように雅でもなく広くもありませんが、京都の空に大きな四神が浮かんでいるとしたら松本の空には小さな四神が浮かんでしっかりと街を守ってくれているのだといつも想像してしまいます。そして私が空想する松本の四神に感謝してしまいます。
今回のブラタモリのメインテーマとも受け取れる松本の「水」。
松本は本当に水が豊かでおいしい街です。タモリさんが信州大学の地質学の先生から扇状地の話を聞いているときに小学校で複合扇状地のことを習ったことを懐かしく思い出しました。
松本市には地下鉄も地下道もありませんが、市民たちなんとなく「そんなに掘ったら水が溢れてくるで」とわかっているというか思っている節もありました。小学校の校庭からも湧き水がピューピュー湧き出していたし(水飲み場では鉄パイプに開けられた穴からまさにピューピュー噴き出していたのです)、砂場もちょっと掘ると水が出てくるような場所でした。
タモリさんと浅野里香アナウンサーが人形町の水路に魚の餌を投げ入れるとたくさんの魚が集まってきました。これがなんとニジマスだったんですね。私もこの水路にニジマスがいるとはブラタモリを見て初めて知りました。下の写真はタモリさんがニジマスに餌をあげた水路です。4年前の春に撮影しました。
水も、川沿いのお宅が育てているお花もあまりに綺麗だったのでiPhoneで撮りました。なんていうか、こういう街なんですよ、松本って。
そして未だに私が東京の水道水に慣れないのもこういう街で育ったからなんですね。飲み水はミネラルウォーターを使っていますが、歯を磨くとき、顔を洗うとき、ふとした拍子に臭いを感じて「うっ」となってしまいます。東京の水道局さんが頑張っているのは知っているし感謝しているんですけどね。
今回のブラタモリでタモリさん一行を案内した千賀さんが信毎メディアガーデン前で善光寺街道や野麦街道の説明をしているときにタモリさんに「松本出身の人は絶対に長野出身といわない」と振られて「どうしても長野出身というときには信州と言います」と信濃第一の都市・松本のプライドを全開にしていましたが、この「松本出身者は自分の出身を長野と言わない」問題は以前Twitterでも話題になっていました。私も自分の出身地を言うときには滅多に「長野です」とは言いません。昔の人たちは長野VS松本の意識が強くてバチバチに火花を散らしていたようですが、私が自分の出身地を「長野」と言わないのには別の理由があります。それは出身地を「長野」と言うと十中八九「長野市」と捉えられるからです。長野と松本は距離も離れているし文化も違うのであんまり一緒にされてもその後の話題に困るというか……「千曲川の近くなの?」とか「善光寺お参りに行くの?」と聞かれても否定しないといけないのでそれなら最初から「信州松本です」と言った方が簡単に済むのです。「松本です」と言っても残念ながら「どこ?」と聞かれることも多いので(汗)。まあ、私が出身地を長野と言わないのはそんな簡単な理由ですが、信濃第一の都市だという松本プライドはあります。何なんでしょうね。特にずば抜けて何かが優れているというわけでもないしすっごい観光スポットがあるわけでもないのですが、松本市民は松本が大好きなのです。今回のブラタモリは「国宝・松本城はなぜ愛された?」というテーマでしたが、松本市民のこの熱い松本ラブの理由は何なのでしょうか。私もそれほど幸せでもない子ども時代を過ごした街だというのに松本の街自体は大好きというか今でも松本プライドを持ち続けています。だからこのブログのタイトルも「信州松本ぺんぎん堂」なのですが、松本の何がそんなにいいのか。盆地から360℃眺める山並み、清らかな湧水、肌を刺す夏の陽ざしと睫も凍る厳冬、小さくとも美しい天守閣、文化を重んじ芸術を愛する風潮、真面目すぎて取っつきにくい市民性、それらが愛おしいというよりも誇らしい。愛おしむには峻厳すぎる。いまの茶々丸的にはそんな感じがします。
それにしてもあの場所が野麦街道の始発点とは知らなかったし、番組で出された糸静線の地図フリップを見て「え?家があったのって糸静線の真上だったんじゃん(汗)」と知ったのも個人的には驚きでした。
大好きな松本をタモリさんが歩いてくれたのを見ただけで今晩はしあわせな気持ちで眠ることができそうです。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました!
これは松本市民なら読みたい松本市民なら読みたいオススメ本です!