信州松本ぺんぎん堂

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ひとっきら寝て起きろ

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ぬくぬく

どうも、茶々丸です。

こたつでうたた寝するのが気持ちのいい季節になりました。

 

つい先日、何故かふるさと松本の言葉をふと思い出しましました。

それがタイトルにもなっているひとっきら寝て起きろです。

「ひとっきら」というのは少しの間、ちょっとの間といった意味です。

そして「寝て起きろ」は仮眠のことと言えばいいでしょうか。お昼寝のときなどによく使います。

「寝て起きろ」をどのような場面で使うかというと、例えば私が眠たそうにしていると祖父がよく

「ひとっきら寝て起きろ」

と言って枕やタオルケットなどを用意してくれました。

または

「あ〜、疲れた。何だか眠くなっちゃったな〜」

「ひとっきら寝て起きりゃあいいじゃん」

みたいな会話になるでしょうか。

寝て起きろって、ちょっと面白い言い回しだなと思いませんか?そして、ちょっと温かみがあると思いませんか?

もしかして標準語かなと思ったこともありましたが、LINEの中信地方の方言スタンプに「寝て起きろ」があったので「ああ、やっぱり方言だったか」と確認できました。信州のほかの地域、北信・東信・南信でも使うかどうかはわかりません。もっと言えば中信のなかでも松本地方以外で使うのかどうかもよくわかりません。祖父は安曇野の出身だったので安曇野地方では使っているかな?

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長野県の旧区域分け

ちなみに寝て起きろは夜寝るときには使いません。

夜遅くなって「もう寝たら?」というのは

「へぇ寝ましょ」とか「へぇ寝りゃあいいじゃん」

と言うかな。

「もう寝ようよ」というのは

「へぇ寝るじゃん」とか「へぇ寝りや」とかかな。

お察しの通り「へぇ」は「もう」という意味です。

あ、「寝る」に関連していま思い出したことがあります。大学で上京したときに電話を切るときのあいさつで「それはおかしい」と友だちに笑われたことがあったんですよ。夜まだそう遅くない時間に電話で話して、切るときに「おやすみなさい」と言ったら「まだ寝ないよ!」と笑われたんです。「もう寝るの?まだ7時だよ」みたいな。けれど、地元では普通に「おやすみ」とか「おやすみなさい」と言って電話を切っていたんです!

あ、よく思い出すと、夜、誰かと会って別れるときも「おやすみ〜」ってあいさつで別れたかな!19時でも20時でも「おやすみ」だったような気がします。

 

ひとっきらの方は「すぐだから」とか「すぐそこの場所だから」みたいなときにもよく使います。「コンビニなんてすぐ近くにあるんだからちょっと行ってくる」は

「コンビニなんひとっきらだでちょっと行ってくるわ」

と言うと思います。

「学生時代なんてあっという間に終わっちゃうよ」みたいなときは

「学生時代なんひとっきらだで」

と言うかな。

 

私の子どもの頃はすでに「最近の子どもはあまり方言を使わなくなった」と言われていましたが、現在の子どもたちはおそらくもっともっと使っていないだろうなあ。

いまの松本っ子に「ひとっきら寝て起きろ」なんて言ったら、何言ってんだ?って思われちゃうかもしれませんね。

しかし、方言はその土地の文化だと思うので長く伝えてほしいと思います。それはどこの地方の方言に対しても思っています。

 

これから冬休みになり、みなさんもお昼寝する機会が増えるかもしれませんが、そのときにこの「ひとっきら寝て起きろ」を思い出してくれるとうれしいです。

でも、こたつでうたた寝して風邪などひかないようにしてくださいね。

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございました!

それじゃあ今夜は私も遅くなってしまったので「へえ寝るわ」。明日も仕事だで。