信州松本ぺんぎん堂

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小布施の栗かのこ食べ比べ

こんばんは、茶々丸です。

今日は七草粥の日でした。みなさん、七草粥は召し上がりましたか?茶々丸はしっかり食べましたよ〜(^^)v

7日に七草粥を食べる風習といい、お正月の食べ物はいろいろな決まり事があったり言葉や連想で縁起を担いだりしていて面白いですよね。例えば数の子は子孫繁栄だとか、豆はまめに(勤勉で)健康に暮らせますようにとか、昆布は喜ぶに通じて縁起がいいとか。栗は昔から「勝ち栗」と呼ばれる縁起物で、きんとんは「金団」と書き、黄金色に輝く財宝に例えて豊かな1年を願う料理なのだとか……。

 

ということで今回は銀座NAGANOでお正月の食べ物として購入した栗かのこ2種類の食べ比べをしたいと思います!桜井甘精堂小布施堂です。本当は小布施の三大栗菓子店桜井甘精堂、小布施堂、竹風堂の3種類をそろえて食べ比べてみたかったのですが、私が行ったときには竹風堂のものはありませんでした。そんなわけで今年は桜井甘精堂の栗かの子小布施堂の栗鹿ノ子を食べ比べてみたいと思います!実は私の記憶が確かならばこのふたつのお店の栗かのこを食べるのは初めてだと思うのでとても楽しみです!(≧∀≦)

 

と、その前に、ちょっと小布施の栗の歴史をば紐解いてみます。

 

 

小布施の栗の歴史

信州小布施といえば栗の産地として名高いですが、その歴史はいまからおよそ600年前の室町時代、小布施地方の領主だった荻野常倫が故郷の丹波国から栗を取り寄せて植えたのが始まりだといわれています。小布施の土壌が栗の生育に適していたため、江戸時代には栗林が広がっていたといいます。松代藩が毎年品質がよくおいしい栗を将軍家に献上していたことから小布施の栗はその名を天下に知られるようになったのだとか。そして江戸時代には栗菓子がこの小布施から誕生します。長い年月をかけて地元に根付き町を繁栄させてきたのが小布施の栗なのですね。

また、諸国巡業中の弘法大師が小布施に立ち寄り、小布施という地名を付けるとともに栗を3粒まいてこれが徐々に増えていったという伝説もあるそうです。

 

小布施三大栗菓子店、その歴史は?

桜井甘精堂

一番歴史が古いのはこの桜井甘精堂です。

文化5年(1805)、桜井幾右衛門が小布施で初めて栗落雁を作り、これが小布施の栗菓子の歴史の始まりともなりました。

この頃、江戸で名声を得た小林一茶が故郷信州で盛んに句会を開き始めたそうです。

文政2年(1819)には幾右衛門の弟、武右衛門が栗だけを使った栗ようかんを発明。

明治25年(1892)には5代目が栗と栗あんだけを使った栗かのこを発明。

そして昭和39年(1964)に株式会社桜井甘精堂が設立されました。

なんと、小布施の栗菓子の歴史はそのまま桜井甘精堂の歴史のようですね。

www.kanseido.co.jp

 

小布施堂

小布施堂の創業は何年何月というのははっきりしていないようですが、明治中期〜後期の間に創業され、会社設立は大正12年です。これまた立派な老舗です。

実は小布施堂は風情ある街並みが人気の観光地・小布施の街作りにも大きく寄与してきました。小布施堂12代目高井鴻山(市村三九郎)は葛飾北斎と親交があり、北斎が小布施に滞在したのも鴻山がいたからなのです。16代目の故・市村郁夫さんは北斎が小布施に残した作品に目をつけ、昭和51年(1976)に作品を収蔵した北斎館を建造しました。

北斎に人気が出たために小布施堂では栗菓子の店を出しましたが、工場を郊外に移さず小布施町内に留め、景観に配慮する外観に替える決断をしたことから現在でも多くの観光客を惹きつける小布施の名店となり、小布施の栗菓子店や文化や街作りを牽引する存在になりました。

obusedo.com

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竹風堂

竹風堂の創業は明治26年1893年)。

1972年、小布施で初めて栗おこわを売り出したのがこの竹風堂です。松本の中町にも竹風堂のレストランがあり、私もそこで栗おこわを食べたことがありますが、とてもおいしかったですよ。

竹風堂も小布施の歴史を大切に守ってきたお店です。「菓子作りには地域の文化、歴史、芸術などの融合が欠かせない」との観点から昭和57年(1982)に「日本あかり博物館」を創設。平成18年(2006)に開店した善光寺大門店には展示会やコンサートのできる多目的ホールを設置しました。平成29年に休館となった池田満寿夫美術館も竹風堂がオープンさせたものでした。

実は私が毎年食べていたのもこの竹風堂の栗かの子でした。松本から度々おいしいものを送ってくれるMさんからのいただき物です。竹風堂は松本と安曇野に店舗があるので松本で最も手に入りやすいのが竹風堂の栗かの子なのかもしれません。もちろん抜群においしいです。

実は、竹風堂の栗かの子だけがアルミ缶ではないのですよ。アルミ缶では開けるときに指を切ってしまう恐れがあること、パッカンとしたときに密で指が濡れることを避けるためにプラスチック容器に変更したのです。蓋もプリンやゼリーの容器のようにペリペリとアルミをめくる仕様になっています。

三者三様にやさしい心遣いがありますね。

chikufudo.com

nihonnoakari.or.jp

 

いよいよ食べ比べ

お待たせしました!

それではいよいよ桜井甘精堂の栗かの子と小布施堂の栗鹿ノ子を食べ比べたいと思います!

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外箱

左が桜井甘精堂の栗かの子、右が小布施堂の栗鹿ノ子です。

箱は栗鹿ノ子の方が大きく見えますが、内容量はどちらも80グラムです。

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ぱかっ

箱の大きさの違いの謎は缶にありました。

どちらもシーチキンのようなぱっ缶と開けるタイプですが、小布施堂の缶にはさらに蓋が点いているのでその分箱も大きめなようです。また、缶がおしゃれなので食べ終わったら捨てるというのはもったいない感じです。私はこのあと多分小物入れにします(笑)。

桜井甘精堂の栗かの子には蓋はありませんが、その代わりプラスチックの小さなスプーンが入っていました。これを買えばどこでもすぐに食べられるというスタイルです。親切。

どちらにも栗のペースト(餡)とまるごとの栗が3個入っています。

 

桜井甘精堂「栗かの子」のお味

原材料:栗甘露煮(栗、砂糖)、栗、砂糖

熱量:1缶あたり207Kcal(推定値)

本当に栗と砂糖だけでできています。

小布施堂に比べると若干粗いペーストです。しかし、それが悪いわけではありません。和菓子な食感でとてもいいです。栗には歯ごたえがありつつホクホクしています。

小布施堂の栗鹿ノ子に比べると若干甘さが強いかもしれません。

 

小布施堂「栗鹿ノ子」のお味

原材料:栗、砂糖

エネルギー:256Kcal(100gあたり)

こちらも栗と砂糖だけでできています。

栗のペーストは桜井甘精堂に比べて若干水分が多いです。そして桜井甘精堂よりもほんの少しだけ甘みも抑えられている気がします。

栗にはやはり歯ごたえがありおいしいです。

 

軍配は……?

これはもう引き分けとしか言いようがないです。素人にはわからない微差です。

サービスの面でもスプーンか蓋かという違いです。ぜんっぜん違うからどうしてもこっちの店がいい〜!というほどの差は感じられませんでした。

なので購入するときの決め手はお店の立地または容器の好みで選ぶしかないかもしれません。また私のようにバラでそれぞれの店のものを購入する手もあります。

 

最後に

今回、竹風堂の栗かの子が揃えられなくて残念でしたが、次回のお正月には小布施三大栗菓子店の栗かのこを取りそろえて食べ比べてみたいと思います。

食べ比べはカロリーオーバーになってしまうといけないので半分ずつ食べて残りは明日のお楽しみにしました。

それでは、今回も最後までお読みいただきありがとうございました!