信州松本ぺんぎん堂

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信州人のおなまえ!

こんばんは、茶々丸です。

信越放送「ずくだせテレビ」信州人のお名前という特集をやるとTwitterで見かけて「見たい!」とつぶやいたのが今年の1月。ツイ友のSさまがそれを見て録画して迅速に送ってくださったのですが……これはいいな、いつかブログにしようと思ったものの、あっという間に時は過ぎ去り……早12月です。もう今年も終わろうとしています。このネタも熟成させ過ぎてもうチーズとか味噌とかお酒とかになっちゃっているかもしれませんが、せっかくなので今更ながら記事にしたいと思います(汗)。

ということで今回のタイトルもどこかで聞いたような(パクったような)ものとなっております(笑)。

sbc21.co.jp

 

 

信州で多い苗字BEST10!

「ずくテレ」でこの特集の放送があったのは2022年1月25日(汗)。

信州人の名字TOP10と松本市で一番多い名字を発表しておりました。

番組内で発表された信州人名字ランキングは名字研究科・森岡浩さんが作成したものということで以下のようになっていました。

信州の学校ならばクラスにひとりはいる名字ばかりです。

松本生まれ松本育ちの茶々丸の実感で言うと、8位の高橋さんは小学校〜高校まではいなかった気がします。高橋という名字の方と直接知り合いになったのは大学生になってからだったので、あまり信州に多い名字という印象はありませんでした。東京に出てきてから高橋という名字の知り合いが爆発的に増え、現在はiPhoneの連絡先に高橋さんが5名登録されているという状態になりました。それもそのはず、高橋さんは全国で3番めに多い名字だそうです。

 

長野県の名字TOP10でみごと1位に輝いた小林さんですが、小林が1位になるのも長野県だけなのだそうです。

柳澤さんは同じクラスにはいなかったけれども小学校の同じ学年にひとりいました。小林さん、丸山さん、宮沢さんはクラスに2名いましたね。

私の印象としては小学校〜高校を通じて他にも多いな〜と思う(クラスや学年に複数いる)名字がありまして、それが「上条(上條)」「高山」「斎藤」「花岡」「赤羽(あかはね。あかばねではない)」などです。ほかにもいろいろありますが、上げていくときりがないので(^o^;)

 

松本市でもっとも多い名字

番組では松本市で一番多い名字というものも紹介していました。

みなさん、何だと思います?

実は私、これはわかっちゃったんですよ。何しろクラスにも学年にもたくさんいたので。

その名字とは百瀬さんです。

百瀬姓の多さは県内全体では37位。全国では1019位で約17700人。

その全国におよそ17700人いる百瀬さんのうちの約8500人を長野県が占め、松本市にはその半数以上の約4900人おられるそうです。もはや異常な多さと言ってもいいかもしれません。そりゃあクラスに2人や3人いて当然ですね。

なぜ百瀬という名字が松本市で一番多いのか島田秀平さんがレポートしていましたが、長野市出身である島田さんの「百瀬」というアクセントがちょっと気持ち悪かったです(笑)。長野県出身者以外の人が「諏訪」「塩尻」というときの気持ち悪さと同じです。島田さんは百瀬の最初の「も」を強くしていたのですが、松本市ではもっと全体的に平らな感じで呼びます。まさか同じ県内でそんな違いがあるとは思いませんでしたが、さすがはだだっ広い信州です。

さて、どうして松本市で百瀬姓が一番多いのか、その謎を探るために島田さんは市内の寿百瀬という地区に向かい、地元の歴史に詳しい方にお話を聞いていました。

寿百瀬にあったのが百瀬陣屋という1671年に諏訪高島藩主の忠晴が分領地に置いた陣屋でした。陣屋というと参勤交代のときにお泊りする施設みたいなイメージがありますが、ここはそういう施設ではなく代官所の役割を果たす場所でした。

この百瀬陣屋の名称もここの「百瀬」という地名から名付けられたのだそうです。

 

 

では地名である百瀬の由来は何か?

郷土史研究家の方のお話によると、このあたりは牛伏川(うしぶせがわ)が元禄3年〜明治29年の200年の間に30回もの大氾濫を起こしており、氾濫が起きたあとは「たくさん(百)」「浅い川(瀬)」ができていたことから「百瀬」と名付けられたとのことです。大氾濫を起こさなくなったのは大正時代に砂防施設である牛伏川フランス式階段工が作られたからだといいます。

ja.wikipedia.org

この百瀬という地名が文献に初めて現れたのが1488年。いまから2500年前の弥生時代にはすでに人が住んでおり田川の水を利用して稲作が行われていたことから、この郷土史研究家の方はもしかしたら百瀬氏という豪族がいて、それが周囲に広がっていったのかもしれないと推測しておられました。百瀬という名字は寿から比較的近い塩尻市岡谷市にも多いことからもそう考えてもいいのでは……ということです。

 

長野県ならではの名字

番組で紹介されていた以外にも長野県ならではの名字があります。

ここからはずくだせテレビを離れた名字のお話です。

 

有賀と宇留賀

長野県ならではの名字のひとつに有賀があります。普通、全国的には「ありが」と読みますが、信州では「あるが」と読みます。松本市の昔の市長さんにも「あるが」さんがおられました。

「あるが」さんに似た名字で「うるが」さんもおられます。漢字で書くと宇留賀。こちらは信濃国安曇郡宇留賀(現東筑摩郡生坂村)発祥の名字とのこと。

あるがさんとうるがさんは似ていますが有賀さんは諏訪郡有賀がルーツの諏訪氏の一族、宇留賀さんは仁科氏の一族のようです。

 

甕(もたい)という難しい漢字の名字もありますが、全国の3分の2の甕は長野県にみられるのだそうです。松本市に多い名字ですが由来はかつて佐久市にあった地名のようです。

けれども私の知っている甕さんはみんな(といっても3名)安曇野の方だったので、ゆかりがある場所が松本市佐久市だと知ってちょっと驚いています。てっきり安曇野に多い名字かと思っていました。

 

信濃三沢

長野県は「沢(澤)」のつく名字が多いのも特徴のようで宮沢(宮澤)」「柳沢(柳澤)」「滝沢」を「信濃三沢」というそうで、信濃三沢は諏訪氏の一族とのこと。そうか〜、そんなに多いのか。どおりで。「柳澤」も「宮澤」も親戚におりますわ。

この信濃三沢の由来は

・宮澤 神社のそばの沢

・柳澤 魚を捕まえる梁を仕掛けた沢

・滝沢 滝のそばの沢という意味と急な崖のそばの沢というふたつの節がある模様

とのことで、信州には河川が多いんだなあ……。

 

ややこしい降旗

降旗は長野県を代表する名字で加賀国降旗荘にルーツがあるとのこと。

「降旗」さんがややこしいのは読み方が「ふるはた」「ふりはた」の二通りあるところ。

私も知り合いにどちらもいて、疲れているとどちらが「ふりはた」でどちらが「ふるはた」なのかわからなくなることがありました。呼び間違えるのは失礼に当たるので気を遣いました(笑)。

 

やんごとなき名字

ずくテレでは長野県のとても珍しい名字として位高さんも紹介していました。

位高とかいて「やごと」と読むのですが、それはまさにやんごとなき身分であったことからだそうです。なんでも阿南町の旧家で、菅原道真の子孫なのだとか。伊那郡の郡司を努め、采女天皇に献じた際に「位高なる宇弥女なり」という勅定があり、位高氏を称したとのこと。

私の知り合いにも南信出身の「位高」さんがおられましたが、その方は「やごと」ではなく「いたか」という読みでした。由来が「やごと」さんと同じなのかどうかわかりません。

 

長野県の有名人の名字

長野県出身で全国的に知られている藤森慎吾さん藤森諏訪市で最も多い名字です。藤森慎吾さんも諏訪市出身ですもんね。由来がとてもかっこよくて、諏訪明神の投げた富士の枝が根付いたところから岡谷市に藤島明神が祀られ、その森にちなんでできたのだそうです。

今年、現役生活にピリオドを打ったスピードスケートの小平奈緒さん小平も長野県に多い名字で全国のおよそ3分の1は長野県に見られ、東信や南信に多いようです。小平奈緒さんも南信の諏訪のご出身です。

「天気の子」「すずめの戸締まり」で知られるアニメーション監督の新海誠さん新海も佐久地方の名字です。監督も南佐久具小海町のご出身ですからまさに新海中の新海、KING of 新海ですね。橘諸兄の子孫で村上天皇から新海の名字を賜ったという説もあるようです。

 

ということで、ここまで楽しんでいただけたでしょうか?

名字っておもしろくて調べ始めると止まらなくなってしまいますね。そりゃNHKの「日本人のおなまえ」が人気番組なるわけです。

今回はこのへんにいたしまして、「ずくだせテレビ」では海のない長野県にある海のつく地名についても調べておりましたので、次回、当ブログでも信州の地名について書いていきたいと思います。

本日も最後までお読みいただきありがとうございました!