信州松本ぺんぎん堂

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小布施堂のモンブラン朱雀

どうも、茶々丸です。

先日、小布施の栗かのこについての記事を書いたので、今回は小布施のモンブランについて書いてみようと思い立ちました。ちょっと古い2019年の話になりますが、お読みいただけると幸いです。

 

shinsyu-matsumoto-pengin-dou.hatenablog.com

 

2019年10月、令和元年台風19号で信州でも千曲川流域で大きな被害を受けました。長野市のりんご農園も大きな損害を出したし、観光業も打撃を受けました。誠実に事業に励んできたみなさまの心痛を思うと言葉も出ませんでした。
そこで「微力でも何か応援したいね」と家族と話し合い、同じ年の10月末、観光客が激減して困っているという小布施へ行きました。そのとき味わったのが、栗鹿ノ子の記事でもご紹介した小布施堂が展開するえんとつというカフェのモンブラン朱雀です

 

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モンブラン朱雀


国道403号線沿いにあるこの趣ある門をくぐるとえんとつがあります。
街中にこういう風情が残っているのが小布施のいいところです。

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モンブラン朱雀の看板が立っています


カフェの名前のえんとつは敷地内にあるこの煙突にちなんで名づけられたそうです。

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「桝一」市村酒造の煙突

実はこの煙突、小布施堂を経営する市村家が江戸時代(1755年)から営んできた造り酒屋桝一のものだそうです。この煙突が現役かどうかはわかりませんでした。

えんとつはモンブランだけに特化したカフェです。通年あるメニューはモンブラン朱雀ですが、実は新栗が届く1ヶ月間だけ味わえる栗の点心朱雀という人気メニューがあるんです。なんでも取れたての栗を蒸して裏ごししたものを砂糖も何も加えずにそのまま栗あんの上に載せたものだそうです。あの、モンブランの麺みたいな部分が純粋な新栗だけでできているということですよね。かなりおいしい栗じゃないとそんな勇気あることはできないと思います。残念ながらこの日はもう新栗がなくなっていて、栗の点心朱雀は味わうことができませんでした。ああ、いつか食べたい栗の点心。

モンブラン朱雀は飲み物付きで1500円。飲み物は朱雀ブレンド(アイスorホット)紅茶(アイスor鉄瓶で出てくるホット)、りんごジュースから選ぶことができます。

注文は席に着いてからではなく、入ってすぐの受付のようなところで飲み物を何にするか聞かれてから席に案内してもらえます。お客さんが多いときには整理券が渡されて、指定された時間に行くと中に入れてもらえます。栗の点心朱雀があるときにはさぞかし長い行列ができているに違いない(妄想)。

そうそう、栗の点心朱雀とモンブラン朱雀の違いは、栗の点心朱雀が純和風で、それを洋風にアレンジしたものがモンブラン朱雀なのだそうです。ちなみにオンラインショップや百貨店で販売しているものは朱雀モンブランという名前です。いろいろややこしい。店員さんは間違えないのだろうか、朱雀モンブランモンブラン朱雀。てゆーか、違う名前にはしないのか。自分が小布施堂を取材できたらまず聞いてみたいポイントです。


さて、気になるモンブラン朱雀のお味はというと、さすが栗の本場だけあって栗の味がかなり濃厚です。写真からは伝わらなかったかもしませんが、これがまた大迫力の大きさなのです。甘さ控えめだから完食できましたけれども。
たっぷりの栗あん(モンブランクリーム)の下にはサクサクのナッツが入ったセミフレッドアイス(半分凍ったアイス)と栗鹿ノ子が入っていました。ナッツのサクサクがいいアクセントになっていてすごくおいしかったです。このナッツのセミフレッドアイスだけのものも商品化してほしいくらいです。栗鹿ノ子は栗がまるっとふたつ入っていたと記憶しています。最初に貼ったモンブランの写真の後ろに写っている漬け物的なビジュアルのものはりんごとぶどうです。
あまりのボリュームに、一緒に行った姉は半分食べたところで根を上げ、自分の分プラス母親の残した分を食べることになった甥っ子は夕飯の時刻になってもまったくお腹がすかなかったという笑い話もできました。モンブランを食べたのはお昼前だったのに、男の子がそんなにおなかいっぱいになるってすごくないですか? 私も1年分のモンブランを食べた気になりましたけど。

obusedo.com


モンブラン朱雀でお腹を満たしたあとは日本のあかり博物館にも寄りました。こちらは同じく栗菓子で有名な竹風堂さんが開設した博物館です。北信濃と周辺地域で使われていたあかりの道具を展示している博物館で、行灯などのあかりの道具はもちろん、ろうそく屋さんや油屋さんの看板など北信濃とその周辺のあかりにまつわるいろいろなものを見ることができます。私的には江戸時代、旅に持っていった小さな行灯と筆やカミソリなどのいまでいうトラベルセットが大変秀逸でほしくなりました。また、江戸時代から現代に至るまでの部屋のあかりの明るさを順番に体験できるスペースもあり、すごく楽しかったです。江戸時代や明治時代の部屋の暗さなんて体験したことなかったですから。何だか谷崎潤一郎の「陰影礼賛」を思い出しました。体験スペースは小さな和室をモデルにしていたのですが、明るすぎない灯りが日本家屋のよさを演出しているといいますか。勉強するには現代の灯りがいいですが、思索するには行灯やランプの灯りがいいんじゃないかと思いました。

nihonnoakari.or.jp


一昨年は台風被害だし昨年からはコロナだし、小布施は元気かなとちょっと気になります。またモンブラン朱雀を、できれば栗の点心朱雀を食べに行きたいと思います。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。