信州松本ぺんぎん堂

信州にまつわる情報を愛を持って発信しています!

信州よりお盆名物「天ぷらまんじゅう」届く

こんばんは、ぺんぎん茶々丸です。

みなさん、お盆はどう過ごされましたか?

私はステイホームでずっと引きこもっていましたので稲川淳二さんの怪談や長野市出身の島田秀平さんのお怪談巡りをYouTubeで見て過ごしていましたよ。え?なんか寂しいって?そんなことないですよ〜。それに、本日はとても嬉しいことがあったんです!

なんとなんと、信州からお盆名物天ぷらまんじゅうが届いたのです(≧∀≦)

コロナ禍がいつ終わるかもしれず、もう一生天ぷらまんじゅうは食べられないと思っていましたよ(大袈裟w)。

ツイ友のSさまが天ぷらまんじゅうの写真をTwitterに上げたときに「いいな〜!食べたあああい!」とリプライしましたらクール宅急便で送ってくださったのですっ!

なんとお優しいSさま  ゚.+:。(´∀`)゚.+:。

f:id:pengin-dou:20210816210219j:plain

Sさまお手製天ぷらまんじゅう

こちら送られてきたばかりの冷たい天ぷらまんじゅう。

写真だとたこ焼きみたいに見えますが、衣をつけてあげたお饅頭です。たこ焼きよりも大きいですが、普通のお饅頭よりも小さいです。普通の半分くらいの大きさかな。天ぷらまんじゅう用のお饅頭は普通のお饅頭よりも小さいのです。そう、長野県には天ぷらまんじゅう用のお饅頭が売っているのです。

そもそも天ぷらまんじゅうとは何か、そして天ぷらまんじゅうを食べる信州のお盆とはどのようなものか、ご説明しないといけないですね。

 

 

信州のお盆

私は四季の行事をきちんとやる家庭で育っていないので深く説明できるほど信州のお盆について詳しいわけではないのですが、そんな私でも知っていることを書いていきます。

信州のお盆は白樺の樹皮を燃やす独特な香りから始まります。

13日に家の玄関の前や門の前でかんば(白樺の樹皮を乾かした物)を焚くのです。子どもの頃は日本全国白樺の樹皮を燃やすのだと思っていましたが違うようです。

かんばはお盆の前からスーパーに並ぶのでお供え物などを買うときに一緒に買うのだと思われます。このかんばが燃えるにおいが私はとても好きです。郷愁を誘う夏の香りです。

近年では外国産のかんばも売っていますが、香りがまるで違います。外国産のかんばははっきり言って臭い!!これはみなさんに知っておいていただいた方がいいのではっきりと書いておきます。私がご先祖様の霊だったら臭くておうちに近づけません。そのくらいの臭いです。しかし、国産のかんばはとてもよい香りがします。この香りならご先祖様も喜んでおうちに帰って来てくれると思います。やはり値段のために何でも輸入はダメです。

16日の送り火もこのかんばを燃やします。

 

お墓が近くにあるご家庭ではお墓までご先祖様の霊をお迎えに行くそうです。そしてお盆の最後の日にお墓に送っていく。これは日本全国どこでもそうかもしれませんね。

 

そして、人が大勢集まるお盆、信州のごちそうは天ぷらです。天ぷらをたっぷり作ってお供えしたりみんなで食べたりするそうです。信州でお盆に天ぷらが食べられるのは、昔から野菜がたくさん採れる地域なのでたっぷりの夏野菜でご先祖様の霊や集まった親戚をもてなすためだといわれています。みんなのお腹を満たしてあげたいという愛ですね。もちろん夏野菜だけでなく、海老やいかなどの魚介類の天ぷらもありますよ!

そして、その夏野菜や魚介類などの天ぷらと一緒に作られるのが天ぷらまんじゅうなのです。

 

天ぷらまんじゅうとは

天ぷらまんじゅうは長野県の中部(木曽、松本、安曇野、大町)と南部(上伊那、下伊那、諏訪)という信州の中でも限られた地域でお盆にだけ食べられている特別なお饅頭です。

とはいえ私の家ではお盆に特別なことをしていなかったので、大人になるまで天ぷらまんじゅうの存在を知らなかったんですけどね。ある年の夏、伊那出身の友人が「あああああ、天ぷらまんじゅう食べたあああ〜い!!!!」と叫んでいるのを聞いて初めてその存在を、お盆に食べるお饅頭の存在を知りました。

母に「作ってええええ」と頼んだことがあるのですが断られ(信州の郷土料理を作ってとおねだりしてはいつも断られている娘です)、スーパーで売られている出来合の天ぷらまんじゅうを食べたら滅茶苦茶おいしくてそれ以来大好物になりました。

信州ではお盆の少し前から天ぷらまんじゅう用の小ぶりなお饅頭がスーパーに並びます。そう、普通のお饅頭を揚げているわけではないんですね。天ぷらまんじゅうのお饅頭は皮の水分が少ないのです。普通に食べたら「こんなパサパサのお饅頭おいしくないよ〜」という感じです。多分、水分が少ない方がカラッと揚がるとかおいしくなるとかそういう理由があるのだと思いますが、元々は仏様にお供えしてあったお饅頭が時間が経ってパサパサになって残念な味になったのをおいしく食べる工夫から天ぷらまんじゅうが生まれたのかもしれません。完全に憶測ですが、そうじゃないとなかなかお饅頭を天ぷらにしようなんて思いつかないような気がします。

また、長野県の一部地域以外にも島根県大田市福島県会津などでも天ぷらまんじゅうが食べられているようですが、発祥は長野県です。なぜそれらの地域に天ぷらまんじゅうが広まったのかというと、江戸時代、高遠藩の保科正之会津藩に移ったときに会津に伝わり、そこから紆余曲折を経ながら吉永藩(大田市)や水口藩(滋賀県)に伝わったという説があります。詳しくはこちらのリンクをご覧ください。

www.nisshin-oillio.com

 

天ぷらまんじゅうのお味

Sさまからクール宅急便で届いた天ぷらまんじゅうを電子レンジで温めました。

f:id:pengin-dou:20210816214548j:plain

Sさまいただきます!

赤い印のある方がつぶあんということでつぶあんこしあん、両方味わうことができました。

断面はこんな感じ。

f:id:pengin-dou:20210816215107j:plain

美しい断面

電子レンジで温めたら、揚げたてのような食感とお味になりました!

外の衣はサクサクなんですよ!

Sさまのお宅の天ぷらまんじゅうはころもに少し塩味がついていて、これがまたいいんです!もしも自分で作る機会があったら絶対真似します。

サイズが小さいこともあって1つ食べたら止まらないおいしさです。嘘だと思ったらみなさまもご自宅で作って召し上がってみてください。絶対止まらなくなりますから!

大きいお饅頭で作る場合は半分に切って揚げるといいみたいですよ。あ、それから、生地から水分を抜くために2〜3日おいてから揚げるのがいいかもしれません。

よく考えたら、お饅頭を天ぷらにしたら生地が油を吸ってギトギトになってもよさそうなものなのに、衣部分以外はそれほど油が浸透していないんですよね。みなさんの想像の10倍くらい油っぽくないです。Sさまの揚げ方が上手だからかな。

ちなみに伊那地方だと大葉を巻いて揚げることもあるようです。

それにしても、こんなにおいしいならお盆だけじゃなくて1年中食べればいいのに (´・ω・`)

 

そういえば、先日、七夕の記事で七夕まんじゅうにも触れたことを思い出しました。おまんじゅうは昔の人、特に信州人にとって特別なごちそうだったんでしょうね。

shinsyu-matsumoto-pengin-dou.hatenablog.com

 

揚げまんじゅうとの違い

東京では浅草の仲見世揚げまんじゅうを食べたことがありますが、その揚げまんじゅうとは似て非なるものです。揚げまんじゅうは衣をつけずに少し平べったいお饅頭を揚げていますが、天ぷらまんじゅうは衣をつけて本当に天ぷらにするんです。それに揚げまんじゅうは確か見た目ももっときつね色でしたよね。しかも揚げまんじゅうの方がもっと油の存在を感じます。揚げまんじゅうは揚げまんじゅうでおいしくて大好きですけどね(≧∀≦)揚げまんじゅうと甘酒という仲見世名物を両方注文してちょっと胸焼けしたこともありますが。

そうそう、天ぷらまんじゅうはこしあん粒あんだけですが、揚げまんじゅうにはかぼちゃ餡とかカスタード餡とか種類が豊富でした。さすが都会の食べ物だ。

 

www.iijan.or.jp

www.iijan.or.jp

asakusa.gr.jp

スペシャルおまけ付きだった

今回、Sさまは天ぷらまんじゅうにおまけもつけてくださいました。

それがこちら!

f:id:pengin-dou:20210816220834j:plain

鬼灯提灯

先日、松本市の夏の行事、ぼんぼんについての記事を書いたのでぼんぼんに使用する提灯をスペシャルおまけとしてつけてくれたんですね。

shinsyu-matsumoto-pengin-dou.hatenablog.com

「もっと丸くてもう少し短かったよね?」とSさまご本人も仰っていましたが、確かに主流の提灯はもう少し丸くて丈が短い提灯だった気がします。模様も若干違います。けれど、一夏にひとりくらいこのタイプの鬼灯提灯の子もいました。だからいいんです!というか、そのお気持ちだけで茶々丸はとても嬉しいのです。コロナが日本に上陸して依頼、私が一度も信州に足を踏み入れていない、というか東京を一歩も出ていないことをご存じのSさま。「信州の夏を味わわせてあげたい」というSさまのお優しい心がギュッとつまった宅急便だったのです。

本日も最後までお読みいただきありがとうございました!