信州松本ぺんぎん堂

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チップスター安曇野本わさび味と安曇野わさびのこれから

みなさんこんばんは、茶々丸です。

本日はみんな大好きヤマザキビスケットチップスターから安曇野本わさび味をご紹介いたしますっ!とともに、安曇野わさびのこともちょろっと調べてみましたのでそちらもご紹介いたします。

 

 

 

 

チップスター安曇野本わさび味

と、意気揚々と書き始めたブログですが、実はこれ、狙って買ったわけではなく、お菓子のまちおかに行ったときに偶然発見したのです。信州が誇る安曇野本わさび味と書いてあっては買わないわけにはいきませんでした(笑)。

パッケージはわさび色の地にわさびの芋が踊っていてちょっとおもしろいデザインです。

中身はこんな感じ。

薄っすらと緑色の点々が見えます。拡大してみましょう。

 

これ、わさびなんですね。

ポテト生地に本わさびペーストとわさび葉パウダーを練り込んであるとのこと。

からいものは苦手な茶々丸ですがわさびは意外と平気(なはず)。

ということで早速いただいてみますと…………。

つーん……

あああ、キタキタ、わさび特有のあたまのてっぺんまでつーんとくる刺激!

けれども、本物のわさびほど刺激が強いわけでもなく、これなら小学生でも高学年なら食べられそう。

しかもこの刺激がクセになって食べ始めたら止まらない系のおいしさ。

さすがは安曇野わさび。さすがはヤマザキビスケット

 

わさびの生産量

私は長野県出身なのでわさびといえば安曇野ですが、東京へ来てよく見かけるのは流通の関係からか静岡県産のわさびの方が多い気がします。そこで湧水で育てる水わさび(沢わさびとも呼ばれる)の生産量全国ランキングを調べてみました。結果は以下の通り。

 

令和元年都道府県別生産量と割合(シェア)

1位 長野県 788.5トン 40.0%

2位 静岡県 486.7トン 24.7%

3位 岩手県 411.5トン 20.9%

 

この3県で全国シェアのおよそ8割を占めています。

生産量ダントツ1位の長野県ですが、そのなかでもなんと安曇野産が9割を占めているんですよ。788.5トンのほとんどを安曇野市で生産しているんです。というか、安曇野以外でもわさびを作っていたのか〜という驚きが個人的にはあります。そのくらいわさび=安曇野というイメージがあります。あ!でもでも!そういえば知人の家が松本市内を流れる奈良井川という比較的大きな川の側にあったのですが、そのお宅のすぐ近所にわさび田があったのをいま思い出しました。(奈良井川も個人的には大きな川なのですが東京へ来て多摩川とか見ちゃうと大きいと言い切れなくなりました笑)

 

そもそもなぜ安曇野といえばわさびなのか?

そもそも安曇野市はどうしてわさび栽培で知られるようになったのでしょうか?

安曇野でわさび栽培が始まったのはいまからおよそ100年前の明治初期。それまで梨栽培がさかんに行われていた安曇野で、梨畑の間の水路にアルプス山中の野生のわさびを植えたところ立派なわさびが採れたことから広まっていったといわれています。

そんな安曇野で群を抜いて広いのが観光農園としても有名な大王わさび農場です。以前兎丸さんが記事にしてくれたこともあるところで、その広さはなんと15ヘクタールにも及びます。

shinsyu-matsumoto-pengin-dou.hatenablog.com

 

この大王わさび農場の開拓が始まったのは大正時代。もともとは梨を栽培していた場所でしたが、犀川穂高川高瀬川万水川の合流地点の湿地帯で、度々犀川が氾濫したことから堤防を築く形で土砂を掘って積み上げ、次々と湧き出てくる地下水を利用してわさび田を作ったのだそうです。かかった人手はのべ40万人、歳月はおよそ20年。時代も大正から昭和へと変わっていました。現在のように便利な重機や車両はなかった時代、その苦労はいかばかりだったでしょう。

 

そんな伝統ある安曇野のわさび栽培ですが、実は農家の高齢化や湧水量の低下などにより水わさびの生産量は年々減少しているのだそうです。安曇野は湧水の郷であるだけに湧水量が減少していると聞くととても心配になるし心が痛みます。清らかな水が流れるわさび田の風景はとても美しく、いつまでも残してほしい。それだけでなく、農業にも生活にも直結する問題なのでそちらの面でも気になります。

また、わさびはデリケートな植物で、水質が清らかなことはもちろん水温も適温が10℃〜15℃で、16℃以上になると育成障害を起こしてしまうのだそうです。そこで頭を過るのが地球温暖化。今年の夏もかつてないほどに暑いし、安曇野湧水の温度が心配になってしまいました。

 

これからの安曇野のわさび栽培は……

減少するわさび生産量を踏まえて、安曇野市ではいま畑で栽培する(水耕栽培ではない)陸わさび(おかわさび 畑わさびとも呼ばれる)の生産が広がりつつあるそうです。やはり農家の高齢化や湧水量の減少への対策のようで、わさび加工メーカーのマル井安曇野市)とあづみ農協などが生産を振興しているとのこと。陸わさびは水わさびよりも栽培しやすく、出荷までの期間も短いのだそうです。

www.shinmai.co.jp

温暖化で栽培が難しくなってきているというりんごと同様にわさび生産にも工夫が凝らされています。けれど、「陸わさび」と「水わさび」、一体どこが違うのでしょうか?

 

「水わさび」と「陸わさび」の違いとは

実は「水わさび」と「陸わさび」は実は全く同じ品種で、栽培方法により分類されているのだそうです。

栽培方法によって食べる部分が違い、「水わさび」は丸々とした芋の部分をすりおろしてお蕎麦やお刺身の薬味として使用しますが、「陸わさび」は葉っぱや茎をを食べるという違いがあるとのこと。何でもわさびは畑で育てると芋が大きく育たないそうです。

しかし、「水わさび」も「陸わさび」も芋、茎、葉っぱ、花、全てを無駄なく食べることができるのです。わさびの花のおひたし、おいしいですよ😄

shinsyu-matsumoto-pengin-dou.hatenablog.com

 

さてさて、チップスター安曇野本わさび味の話から安曇野のわさびのお話までさせていただきましたが、いかがでしたでしょうか?

私は個人的には陸わさびの普及も進んでほしいですが安曇野には美しく広大なわさび田の風景もいつまでも残ってほしいと願ってしまいます。そして安曇野の湧水も枯れることなくどんどん湧き出てきてほしいなと思います。

ということで、本日も最後までお読みいただきありがとうございました!